ナイロン6の分子量と物性の考察(K.S.)

 僕はナイロン6について研究しています。ナイロン6は洋服などの原料になる合成樹脂のことで、研究で行っている実験は工場で行うような大規模なものではなく、試験管内で行っています。この実験ではεカプロラクタムという薬品をさまざまな触媒と一緒に加熱をしてナイロン6を合成しているのですが、実験に使う試験管の種類や、触媒の種類、加熱の方法(ゆっくりと温度を上げたり、一気に加熱したり)などによって出来上がりに大きな差(丈夫だったり、脆かったり)が出るので、その違いを生み出す条件と、分子量や引張強度という細かな違いの関係について調べています

ガイガー計数管を用いた放射線測定ー学校内の放射線を調べる。ー(K.I.&A.G.)

 僕たちは放射線を「ガイガー計数管」という測定機で測定しました。詳しく説明すると大変ですが、簡単にすると放射線という電子の粒みたいなものが通り過ぎる個数を測る実験です。この装置を使って放射線の「個数」の減少の度合いを調べました。ちなみに、身の回りにある「ホコリ」も放射線を放っています。(危なくはないです)このホコリについても調べました。  実験結果は自分たちで表やグラフにまとめ、何度も目的の値を取るためにチャレンジしました。実験は、先生の協力の元、自分たちで考えながら行いました。自分の「したい」ができたのでとても充実しています。これからの研究が楽しみです。

虐待と日本から消えた考え方~ニュージーランドのFGCから~(K.M.さん)

 私は高校1年生の時から虐待について研究しています。きっかけは私の住んでいる市の児童相談所が絡む虐待死亡事件が起きたことです。この事件から私は虐待が他人事ではなく身近なことになっていると感じ、虐待をなくすために、そして虐待の連鎖を止めるためにはどうすれば良いかを研究することにしました。  1年生の時に行った研究では虐待する加害者もかつては虐待を受けていた被害者だったのではないかというか仮説を立て、そこから虐待する母親の生い立ちの共通点を見つけ、その共通点をなくすためには何が必要かを研究しました。(詳しくは去年の芝柏文系論文集に載っている”被害者である加害者”を参照してください。)しかし、その共通点が発生してしまう原因は当初の予測よりも遥かに複雑で結局研究の結論は抽象的なものになってしまいました。  そこで今年はFGCというニュージーランドから生まれた虐待の支援方法とその考え方に注目し、虐待の連鎖を止めるためには、虐待が起こってしまった家族がもう一度1つになるには日本の虐待保護方法をどう変えていけば良いかを研究しています。  正直、参考文献を読んでいる時に心が苦しくなったり目を背けたい気持ちになったりもします。それでも目の前で起こっている事から目をそらさずに、自分の結論を出せるよう、研究を続けていきたいと思っています。

俳句と時代の関連性について~俳句は時代の影響を受けるのか~(S.K.君)

 皆さんは、歳時記という本を知っていますか? 江戸時代からある季語の辞典のようなもので、俳句を詠むときに使われます。 時代とともに季語が増えたり減ったりしているのに興味を持ち、「時代背景と関連しているのでは?」と思って、この研究を始めました。
 SS一年目は時代と季語の関連性を調べ、二年目は時代ごとに流行した表現方法を調べています。 例えば、昭和では季語として使われていなかった「ハロウィン」や「第九」などが平成になってから新しく季語になりました。 俳句の研究を通して、俳句の新たな視点からの奥深さが分かりました。 この研究は、高校では終わりそうにもないので大学でもこの研究を続けたいです。 写真は参考文献です。

ノッカノッカのAIを作る(K.H.君)

 皆さんはノッカノッカというボードゲームを知っていますか?簡単に説明すると、自駒を動かして、敵陣に侵入すれば勝利というシンプルなゲームです。コロナ休校期間中に、QuizKnockのメンバーがこのゲームで遊んでいた動画(https://youtu.be/8Q8PhMH08tY)を視たのをきっかけとして、ノッカノッカの対戦相手(AI)をPC上で作ろうと思い、この研究を始めました。研究の最初の頃はランダムな一手を指してくるAIしか作れませんでしたが、アルファ碁の作り方を参考にして、最初のランダムなAIに対し、勝率98%のAIを作ることができました。最近は、このちょっと強くなったAIの棋譜を勉強させて、人間にも劣らないAIを作ることを目標として研究しています。