
校長 中根 正義
個性を尊重し、創造性を発揮する6年間
本校は芝浦工業大学の併設校として、「創造性の開発と個性の発揮」を建学の精神に1980(昭和55)年、千葉県柏市増尾の地に開校しました。当時は校内暴力などが社会問題化している時代であり、今見直しが進んでいる「ブラック校則」が生まれる背景にもなっていました。そうした社会情勢の中、生徒の自主性を重んじた精神を高々と掲げていたのです。
その後、1990(平成2)年に男女共学となり、99(平成11)年には中学校を開設。現在、中学校15クラス(約540名)、高校23クラス(約900名)を擁し、地域を代表する私立の中等教育機関として発展してきました。
さて、我が国は今、歴史的にも大きな転換点を迎えています。国内に目を向ければ、世界に例を見ないスピードで少子高齢化が進み、これまで営々と育まれてきた地域の伝統産業や文化の衰退が目立つようになってきました。一方で、世界に目を向ければ、第四次産業革命とも言われる情報通信技術の発達で、瞬時のうちにさまざまな情報が世界を駆け巡るようになりました。さらに、膨大なデータが人工知能(AI)やコンピューター技術によって解析されるようになり、機械やAIができることは任せ、イノベーションが起こせるような創造性豊かな人材が求められるようになってきています。
このような中で、教育も大きく変わろうとしています。これまでの知識や技術を習得する知識集約型の教育から、知識などを活用し、社会のさまざまな問題を解決するために、自ら進んで「問い」を立て、「解決」していくこができる人材を育てていくことが求められています。
ここまで読んでくださった皆さんの中には、お気づきになられた方もいらっしゃると思います。そうです。本校が掲げている創立の理念「創造性の開発と個性の発揮」が、複雑化する社会の中で求められる能力と合致しているのです。
本校は2018(平成30)年度より文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の再指定を受け、理数教育や探究学習に力を入れている中等教育機関として高い評価をいただいています。一方で文系志望の生徒も約3割おり、海外大も含め大学進学先が幅広いのも特徴です。
「人生100年時代」と言われる中、中等教育機関には知的好奇心の涵養や、生涯にわたり学び続けるために必要な主体性や態度を育むことが求められています。芝浦工業大学の併設校として大学との連携を密にしながら、文理の枠を超えた多彩なプログラムを用意することで、次代を担うコミュニケーション力に優れた人材を育てることに全力で取り組んでいます。
本校は2030年に創立50週年を迎えます。ソフト面だけでなく、ハード面として新校舎の建設に向けたプロジェクトも進行し、これからの人材育成にマッチした教育環境の整備にも力を入れています。
私たちは「個性豊かに、自ら進んで学ぼう」という意欲にあふれた生徒の皆さんをお待ちしています。ぜひ、一緒に学びましょう。