論題「戦争の早期終結のため、日本に対する原爆投下が必要だった」

【論題の定義】変更を希望する場合は事前に相談すること。

 このディベートは、原爆の存在や原爆投下の行為が良いか悪いかの価値判断をするのではない。原爆投下という行為・政策が、当時の歴史状況の下で、<他の手段がなく仕方なかった OR 避けるべきだったし避けられた>かを論ずる。

 配付される資料をよく読んで、どの史実を根拠にしたのかを示せるように、よく準備してください。資料以外に根拠としたい史実があった場合、相手側に事前に申し出て互いに確認すること。

 また、現在の知識や価値観を持ち込まないように注意しよう。つまり、当時の状況下で判断できた範囲で、目標や行為が選択できたかを論ずること。

 肯定側は、原爆投下の最大目的は「戦争の早期終結」であり、これ以外の選択が可能な状況がなかったと主張。

 否定側は、原爆投下の最大目的が別にあったこと、さらに、他の手段で「早期終結」が可能な状況であったことを主張。

【肯定側参考論点】

<必要な状況>

a)日本は戦力が弱まっていたが、軍部が「本土決戦」を叫び、最後まで戦おうとしていたので、普通の方法で日本を打破するのは難しかった。

b)終戦を求めて警告として発せられたポツダム宣言を、日本は無視した。

<投下の効果/メリット>

c)本土決戦論を変えない軍部にも、敗戦を認めさせるだけの絶対的威力があり、原爆を投下すれば、日本政府が終戦を決意することは確実だった。

d)原爆なしでは本土決戦しかなく、米英の兵士に多くの犠牲者が出ただろう。

e)日本軍が行った侵略や虐殺と比べて、この時点の原爆投下が非人道的とは言えない。

【否定側参考論点】

<不必要な状況>

a)陸軍・海軍とも戦力を消耗し、都市は空襲で破壊され、日本は戦争を続ける力を失って、終戦を模索していた。日本が実際に本土決戦をすることはありえなかった。

b)天皇制維持(国体護持)のため、ポツダム宣言をすぐには受諾できなかっただけ。

<投下の欠点/デメリット>

c)日本が頼っていたソ連が参戦すれば、日本が終戦を決意することは明らかだった。

d)原爆は非武装の一般市民の殺害が目標であり、戦後も核兵器の恐怖をもたらした。

e)原爆は、無差別・非人道的兵器であり、実際の警告なしの使用は絶対に許されない。