学校長  菅沢  茂 
 新入生の皆さん、ご入学おめでとう。高等学校294名、中学校204名の皆さんは、今日から芝浦工業大学柏中学高等学校の生徒になりました。これからは本校生徒としての自覚と責任をもって仲良く行動してください。学校生活を通して多くの知識と経験を積み、幅広い教養を身に付けてほしいと思います。
 本校は芝浦工業大学の歴史と伝統を踏まえ、1980年に新たな高等学校教育の創造をめざして柏市増尾の地に設立されました。1990年からの男女共学、1999年からの中学校開設を経て着実に教育成果を上げ、今年で高等学校は35年目、中学校は16年目を迎えました。
 さて、皆さんとの出会いに際して、私から三つのお願いをします。
 第一は、本校建学の精神である「創造性の開発と個性の発揮」をいつも念頭に置き、創造的な思考力と行動力を養ってほしいということです。創造とは新しい物事を自分の考えで創り出すこと、個性とは他の人とは違うその個人にしかない性格ということです。言い換えると、皆さんが自分のよさを最大限に生かしてこの社会に新しい文化や価値を創り出し、広く世界に貢献していくことだといえます。本学校法人の創立者有元史郎も弱冠30歳の若さで、「社会的活動の意義を体得させる特色ある教育を行ない、以って社会に貢献する」という実学志向の教育理念を掲げ、大学の前身である東京高等工商学校を創設しました。学校経営のためには私財を投げ打ち、授業には各界から一流の講師を招いて運営したそうです。皆さんも、社会に貢献するという視点を忘れずに思う存分個性を伸ばしクリエイティブな学校生活を送ってください。
 第二は、現実社会を映し出す新聞や本を毎日読み続けてほしいということです。図書館には「芝柏の80冊」もあります。また、ラジオやテレビ、ソーシャル・ネットワークなどの情報からもよく選択し、自分なりのものの考え方を作り出してください。自分なりではあっても独りよがりではなく、豊かな知識と対話に基づく相手を思いやる優しさを持つことが大切です。これまで国内では長くデフレ経済による不況が続き、さらにいま各種の増税が追い打ちをかけて、生活に困窮する人々が増えてきています。一方、世界のエネルギー情勢は緊迫の度を強め、クリミア半島のように各地で紛争が起きています。われわれは極めて困難な時代に直面しているわけですから、皆さんはこれからの社会の危機を想定し、たくましく生き抜くことが求められています。卒業までの3か年、6か年先を見通して、真剣にかつ計画的に勉強することが必要です。
 第三は、将来つく職業に関心を持ってほしいということです。例えば、昆虫好きの少年が世界的に著名な昆虫学者となるように、また海の好きな子どもが船長を目指すように、自分が本当に好きなこと、本当にやりたいことを探してください。皆さんが自分の将来の仕事に関心を持つということは、自分の人生の目的や生きる意味、また、はたらく意味を考えることにもつながり、何よりも勉強に対する意欲が出てくるからです。テレビや映画の登場人物を通して間接的に学んでもよいし、実際に仕事をしている方々に直接聞いてみるのもよいでしょう。このことは、進学先を検討する上でも極めて重要です。人の生命は地球より重いという言葉が有りますが、与えられた自分の生命を大切にしてどう生かしていくのか、学校にいる間にしっかりと考え目標を定めて欲しいと願います。
 保護者の皆様、本日はお子様のご入学まことにおめでとうございます。職員一同、教育に全力を投入する所存ですので、学校との緊密な連携とご協力をお願いいたします。最後になりましたが、ご来賓、同窓会、後援会、PTA関係者の皆様には、ご多忙のところ新入生のためにお越しくださり心より御礼申し上げます。今後とも本校にご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。