学校長  菅沢  茂 
 新入生の皆さん、ご入学おめでとう。高等学校304名、中学校190名の皆さんは、今日から芝浦工業大学柏中学高等学校の生徒になりました。これからは本校生徒としての自覚と責任をもって仲良く行動してください。学校生活を通して多くの知識と経験を積み、幅広い教養を身に付けてほしいと思います。
 本校は芝浦工業大学の歴史と伝統を踏まえ、昭和55年に新たな高等学校教育の創造をめざして柏市増尾の地に設立されました。平成2年からの男女共学、平成11年からの中学校開設を経て、今年で高等学校は34年目、中学校は15年目を迎えました。
 本学校法人の創立者有元史郎は、弱冠30歳の若さで東京高等工商学校を創設し、「社会的活動の意義を体得させる特色ある教育を行ない、以って社会に貢献する」として、世の中の役に立とうとする実学志向の教育理念を掲げました。本校の建学の精神<創造性の開発と個性の発揮>の源もここにあると考えます。
 さて、皆さんとの出会いに際して、私から二つのお願いをします。
 ひとつめは、“思い切りクリエイティブな考え方を伸ばす”ことです。答えのない世界にどのようにして解答を見出していくのか、どうすれば他の人とは異なる視点で物事を考えられるのか、前例にこだわらずユニークな発想を広げたいものです。
 人間の生活は、危機に直面するとたやすく変化します。一昨年3月11日の東北沖の地震と津波による被害もその一つです。政府は南関東にマグニチュード7程度の首都直下地震が、今後30年以内に70%程度の確率で発生すると発表しています。世界各地で現在も内戦が続き、多くの難民が水や食べ物に困っています。昨夏にはシリアで、ジャーナリストの山本美香さんが銃撃を受けました。「戦地で悲しく切なく暮らす女性や子供の日常を伝えたい」という願いの道半ばの早世で、本当に残念な思いがします。先人が営々として築き上げた文化、すなわち建造物はもとより政治や経済、法律や学問、科学や芸術、慣習などですら、一瞬にして崩壊することがあるかもしれません。
 皆さんはこのような社会の危機も想定し、たくましく生き抜かなければなりません。そのためには自分のアンテナを高感度に保ち、卒業までの3か年、6か年先を見通して、真剣かつ計画的に勉強することが大切です。
 いろいろな人と討論し、本や新聞、各種マス・メディアからの情報を読み解き、思う存分個性を伸ばしクリエイティブな考え方を開発してください。
 ふたつめは、“英語力を高めて、情報通信技術ICT(Information and Communication Technology)を徹底的に身に付けておく”ことです。3年前、アメリカで評判となった映画「ソーシャル・ネットワーク The Social Network」は、巨大なウェブサイトである“face book”が誕生する物語でした。現在利用者数が10億人を超えるそうです。当時、ソーシャル・ネットワークによる連帯は、オバマ氏をアメリカの大統領に押し上げる一方、チュニジアやエジプト、リビアの民主化にも大きな影響力を発揮しました。
 皆さんもこのような国際的規模の連帯に参加し、英語など世界の言語を駆使して正確な情報を選択し収集してほしいと願っています。グローバルな知識や見聞に基づいて独自の進路設計をたてるよう心掛けてください。
 保護者の皆様、本日はお子様のご入学まことにおめでとうございます。職員一同、教育に全力を投入する所存ですので、学校との緊密な連携とご協力をお願いいたします。最後になりましたが、ご来賓、同窓会、後援会、PTA関係者の皆様には、ご多忙のところ新入生のためにお越しくださり心より御礼申し上げます。今後とも本校にご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。