創造性と個性を思い切り伸ばそう
学校長  菅沢  茂 
 新入生の皆さん、ご入学おめでとう。高等学校290名、中学校200名の皆さんは、今日から芝浦工業大学柏高等学校と柏中学校の生徒になりました。これからは、本校生徒としての自覚と責任をもって仲良く行動し、学校生活を通して多くの知識と経験を積み、幅広い教養を身に付けてほしいと思います。
 本校は、芝浦工業大学の歴史と伝統を踏まえ、昭和55年に新たな高等学校教育の創造をめざし柏市増尾の地に設立され、平成2年からの男女共学、平成11年からの中学校開設を経て、今年で高等学校は33年目、中学校は14年目を迎えました。
 本学校法人の創立者有元史郎は、弱冠30歳の若さで東京高等工商学校を創設し、「社会的活動の意義を体得させる特色ある教育を行ない、以って社会に貢献する」として、世の中の役に立とうとする実学志向の教育理念を掲げました。本校の建学の精神「創造性の開発と個性の発揮」の源もここにあると考えます。
 さて、わが国では政治の貧困と長期にわたる経済不況が続く中で、皆さんはこれから卒業までの3か年、6か年の後を見据えて学校生活を送ることが重要です。人間の生活は、社会が突然の危機にさらされるとたやすく変化します。昨年3月11日の東北沖の地震と津波による被害もその一つであり、近い将来この関東が直下型の大震災に見舞われる可能性もあります。先人が営々として築き上げてきた文化的な諸価値、建造物はもとより政治や経済、法律や学問、科学や芸術、慣習などですら、一瞬にして崩壊することもあるでしょう。
 皆さんはこのような危機を想定し、かつたくましく生き抜くために、第1に創造性 Creativity を思い切り伸ばすよう努めること、第2に情報通信技術 Information and communication technology を徹底して身につけておくこと、第3に英語に習熟して世界の若者と連帯すること、が極めて大切です。
 最近、小惑星探査機「ハヤブサ」の物語が相次いで映画化されました。ハヤブサは太陽系の起源を探るため、宇宙を7年間60億kmも飛び続け小惑星「イトカワ」の微小なサンプルを持ち帰りました。アメリカ航空宇宙局 NASAも断念した困難なプロジェクトでしたが、NASAが想定した7分の1という限られた予算で技術開発を推進し、機体の超小型軽量化、燃料漏れや通信途絶、エンジン故障など数々のトラブルを克服し、奇跡的に使命を全うしました。日本の宇宙工学、宇宙物理学の粋を集めた結果であることはいうまでもありませんが、何よりもハヤブサ・チームの連帯の強さとスタッフ全員による創造的な工夫の積み重ねが成功の基になったと考えられます。
 皆さんは、これから社会がどのように変貌を遂げていくのか、常にいろいろな人と討論し、本や新聞、ラジオなど各種マス・メディアからの情報を分析し、個性的でクリエイティブなものの考え方を養うことが大切です。そのため、アンテナを高感度に保ち、かつ志を高く掲げて学校生活を送り、世界を視野に入れた進路設計を心掛けてほしいと願っています。
 保護者の皆様、本日はお子様のご入学まことにおめでとうございます。教職員一同、教育に全力を投入する所存ですので、学校との緊密な連携とご協力をお願いいたします。最後になりましたが、ご来賓、同窓会、後援会、PTA関係者の皆様には、ご多忙のところ新入生のためにお越しくださり誠に有り難うございます。今後とも本校にご支援のほど、お願い申し上げます。