2011年度 芝浦工業大学柏高等学校卒業式告辞 学校長  菅沢  茂 
 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう。保護者の皆様、本日はまことにおめでとうございます。
 本校は、芝浦工業大学の歴史と伝統を踏まえ、昭和55年に柏市増尾の地に創立され、平成2年に男女共学とし、平成11年に中学校を併設して今日に至りました。これまで本校は、8千7百名を超える多くの優れた人材を世に送り出してきましたが、今日から皆さんもその仲間に入るわけです。
 さて、本校の建学の精神「創造性の開発と個性の発揮」は、創立当初からの一貫した校是であります。皆さんが自分のよさを最大限に生かして世の中に新しい文化を創り出し、広く社会に貢献していくことを求めています。このようなモットーにはぐくまれた学校風土の中で、皆さんが身をもって自主独立の気概と創造的な精神を培ってきたことに、心から敬意を表するものです。
 昨年3月には巨大地震と津波による自然災害が、人災による福島第一原子力発電所の事故を招き、その後の計画停電や放射能汚染、経済不況など、長期にわたり暗い影を落としました。東北被災地への支援活動が国境を越えて行われ、今も続いています。強まる寒さの中で、被災地の皆様に募るご苦労が思い遣られます。一刻も早くわが国から原発事故を断ちきり、災害復興に立ち上がる年となるよう祈ってやみません。
 さて、国連は2012年を、国際協同組合年International Year of Co-operatives とすることを宣言し世界各国に呼びかけています。世界には農業、漁業、林業をはじめ、消費者や労働者、エネルギーなどあらゆる分野の協同組合があり、それらは国際NGO(非政府組織)の一つである国際協同組合同盟(ICA)に連帯しています。現在、93ヶ国約250の全国組織が加盟し組合員は10億人を超え、家族や関係者を含めると30億人に達するといわれています。このような協同組合による相互扶助の営みをさらに発展させようとするのが目的です。20世紀の歴史学者アーノルド・トインビーは、科学技術文明によって生み出された多くの弊害を、人類は「愛と英知と創造」の営みによって克服していくと明言しました。しかし、21世紀の今日、地球規模の課題は山積する一方です。人類がこれまで築き上げてきた文化を維持発展させるためには、次代を担う皆さんが自己責任として世界と連帯し、社会に貢献して役立とうとする意志をもつことが大切です。
 皆さんの旅立ちに際して、はなむけの言葉を贈りたいと思います。
 一つは、こころざしを高く掲げるということです。志をもって理想を追求する。どのような波や風にも逆らわず端然として浮かぶ葦舟のように、みずからの高い志や信念を掲げて生き抜くということです。二つは、コモンセンスを身に付けるということです。コモンセンスは良識ともいい、職業や思想・信条、国や民族の別にかかわらず、時代を超えて人として生きていく上での常識であり、教養や思いやりということもできます。皆さんが社会の新たな危機を克服するための針路を開拓し、新しい価値を創造してくれることを心から祈っています。
 最後になりましたが、PTA関係者の皆様、同窓会、後援会の皆様ほか、本日ご列席いただきましたご来賓の皆様には、ご多忙のところ卒業生のためにお越しくださいまして誠に有り難うございます。今後とも本校発展のために、お力添えくださいますようお願い申し上げます。
 では、卒業生の皆さん、健康に留意して、それぞれの人生に全力を投入してください。健闘を祈ります。