巻 頭

 高大接続システム改革について
副校長  久保田剛司 
 今年3月末、約一年間に亘って検討が続けられてきた「高大接続システム改革会議」の最終報告がまとめられ、その概要が新聞等で盛んに報道されたのは記憶に新しいところです。現在の中学2年生から、大学受験の際、現行の大学入試センター試験に代わって「大学入学希望者学力評価テスト」が導入され、更に各大学の個別入試も大幅に改革されます。その根幹となる学力観が、これからの予見の困難な時代に多様な人々と働き、学びながら、主体的に人生を切り拓いていく力を育てるための「学力の3要素」です。3要素とは、「@主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)を養うこと」、Aその基盤となる「知識・技能を活用して、自らの課題を発見しその解決に向けて探求し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」を育むこと、Bさらにその基盤となる「知識・技能」を習得させること、を指します。そしてこの学力観の育成に向けて、(1)教育課程の見直し、(2)学習・指導方法の改善と教員の指導力の向上、(3)学習評価の見直しが図られます。(1)については、2022年度実施の新学習指導要領で、歴史総合・地理総合・公共・数理探究といった合科科目の新設が、(2)に関してはアクティブ・ラーニングの視点に基づく主体的・能動的学習への転換が提案されるとともに、(3)の一環として「高等学校基礎学力テスト」が新設され、2019年度より施行される予定です。このテストは、飽くまで高等学校での学習成果を適切に評価するためであり、大学入試には活用しない、とされているので、やはり関心の的は「大学入学希望者学力評価テスト」がどのようなものになるのか、という点でしょう。

 現行の大学入試センター試験が選択肢から正しい答えを選ぶ力を問うのに対し、学力評価テストではマークシート形式(1月〜2月)+記述式(11月〜12月)で実施され、マーク形式は単なる知識・技能に加えて判断力・表現力を重視した作問に改善され、大学には合計点の他に能力別情報も提供されます。また新たに導入される記述式では、数学・国語について短文記述形式で解答し、その結果を段階別表示で提供するとしています。また、マーク形式ではCBT(Computer-Based Testing:コンピューター上で実施する試験)の導入も検討されます。
 図の今後のスケジュールで分かる通り、2020年はもうすぐそこです。皆さんは、

常に世の中の動向に関心を持ち、能動的・主体的に日々の学習に取り組む中で、思考力を磨きコミュニケーション能力を高めて「自ら課題を発見し、他者と協働して答えを生み出す力を持つ」アクティブラーナーを目指して欲しいと思います。

  

 今年の夏休み
教頭(中学校)  佐藤 文博 
 明日から夏休みです。夏休みという言葉を聞くと嬉しくなるのは私だけでしょうか。今年の夏休みは何か計画がありますか。家族の方々と旅行の計画はありますか。海でしょうか、山でしょうか。楽しい夢は膨らみますね。さて、夏休みになると学校の勉強も一段落して、少し前の事を振り返るゆとりが出ると思います。日ごろの生活を再点検、学習や部活動も含め自分を改めて見つめ直す機会にしてください。今、芝柏の生徒の皆さんは手帳を持っています。夏休みに関してもこの手帳を有効に活用してください。過去を踏まえたうえで、しっかりと先を見据えてください。そしていろいろなことにチャレンジしてください。いつどのようなチャンスが訪れてくるかわかりません。いろいろな方向にしっかりとアンテナを張りめぐらせ、意識をして目の前のチャンスを見逃さずにつかみとりましょう。皆さん自身が歩く人生の主人公として改めて自分の目標を確認してください。そしてそれを実現させるためには何をすればよいのかゆっくり考えてください。夏休みには、復習、予習、その他たくさんの勉強ができます。しかし、どんなに若い皆さんでも自分の頭や体を過信しすぎることは禁物です。一つのことにあまり根を詰め過ぎると後で疲れが出てしまいます。そのためにもしっかりと計画を立てて夏休みを過ごしてください。最後に夏休みと言えば何よりも読書、思いっきり本を読んでください。普段できないことが沢山できる夏休み。有意義に過ごしてください。

 本校における先進的な主権者教育
教頭(高等学校)  杉浦 正和 
 参院選挙に18歳が投票できることとなって、昨年から「主権者教育」が教育界で大きな話題となった。高校3年生が現実の政治問題を理解した上で投票できなければならない、その力を育てる教育と言ってよいだろう。教育基本法第14条「政治教育」には、「良識ある公民として必要な政治的教養」を尊重するとある。憲法制定直後に制定された教育基本法で、民主主義国家をつくるための重要な条項だった。それが政治的対立の中で、70年無視されてきたのだ。ようやくその重要性が認識され、「主権者教育」として昨年から首相自ら推進すると明言するに至ったわけだ。
 実際に問題とされているのが若者の低い投票率で、政治的な関心を高めなければならないとされている。そのためには現実の政治問題に生徒が関わり考える機会をつくろう、というのが主権者教育の主な課題となる。
 実は、本校は主権者教育の先進校である。2003年から実際の選挙で政党を選ぶ模擬選挙を行っている。今年が11回目で、中学高校生全員に参加を呼びかけている。さらに、高校1年生は「現代社会」の授業中に16のテーマで論争する。肯定側と否定側に分かれて闘うディベートを、全員が4回ずつ教室の前で他の審判生徒を前にして論争を体験している。1987年から始めて30年だ。常に現実の社会の動きに関心を持ち、難しい現実問題について主権者の一人として、しっかりと情報を集めて意思決定ができるように、様々な情報や機会を提供していきたいと考えている。