■巻頭2■

 魂の旋律
副校長(高校)  久保田剛司 
 先月末、この番組をご覧になった方も多数いらっしゃることと思います。音を失った作曲家、とのサブタイトルから、現代版ベートーベンか…くらいの軽い思いで見始めました。寡聞にして佐村河内守という名は初耳でしたが、凄まじいまでのその生き様は衝撃的でした。10歳の頃から作曲家を志し独学で作曲法を習得したものの、片頭痛の発作に伴う聴力障害が悪化して14年前に完全に音を失います。聞こえない=無音の世界、とばかり思っていましたが、彼の場合頭の中で重低音の轟音が24時間365日鳴り響き続けており、症状が悪化すると起き上がることもトイレに行くことも出来ません。そんな中での作曲とは、絶対音感を頼りに精神集中して浮かんできた旋律を轟音のベールの中から拾い上げる、という気の遠くなるような作業の積み重ね。こうして作り上げた80分の大作:交響曲第一番『HIROSHIMA』は高い評価を受け、震災後は被災者からも熱く支持されます。そして今回、津波で母を失った少女にレクイエムを捧げようと決心しますが、思うように旋律が浮かびません。呻吟しながら呟いた一言が「一人しか救えないよ…」。生きることに絶望しても不思議ではない想像を絶する苦しみの中、一人の少女のために命を削って鎮魂の旋律を紡ぎ出す姿に、深い感動を覚えずにはいられませんでした。

 「広さ」と「深さ」
副校長(中学)  野村 春路 
 先日新聞の政治経済面に目を通していると、紙面の下3分の1に1冊の本の広告が掲載されていました。その本はサッカー日本代表のゴールキーパーが海外チームで活躍するため、英語を中心として複数の語学を習得する学習法を書いたものらしいのですが、その広告の隅に著者が「グーグル・トランスレーター」を使っているという小見出しが載っていました。早速この無料アプリをダウンロードして、使ってみたのですが、このアプリは大変優れたものであることがわかりました。経済のことを知ろうと新聞を開いたのですが、別種の「余計な」情報を入手したわけです。私は子供のころから「余計な」ことを知るのが好きで、英和辞典なども検索すべき単語のページを開くと、そのページ内で他の面白そうな単語につい気が散ってしまうという悪癖がありました。さて新聞の話に戻ると、現在各紙とも「デジタル版」を出しており、これで記事を読むと、目的の情報にすばやくアクセスでき、さらに検索機能を使って、そのテーマについて、深く掘り下げることが可能です。生徒が使っている電子辞書も同じような機能があり、数種の辞書を横断して検索ができます。知識を得ることにおいて、知識の幅を「広げる」のには、紙ベースの媒体の良さがあり、一つの知識を「深める」のには、電子媒体が優れていると言えそうです。

 中・高生が社会に発信する新しい時代へ
教頭  杉浦 正和 
 文科省が中・高生に社会参画の力を育てる「未来の主権者教育プログラム」の開発を呼びかけている。歴史的には、左翼的学生運動に影響され、1960年代から高校生の間で政治活動が盛んになった。その結果が、都市部の高校で起こった「高校紛争」で、深刻な生徒と教員の対立から1969?70年にストライキや学校封鎖が行われた。今は信じられないほど、学校・教師と生徒の間に信頼関係がなかったが、40年たって時代が一巡した感がある。この3月末に大きな動きがあったのである。28日に有志団体主催の「高校生100人×国会議員 Vol.2」が衆議院議員会館で、29日には初めての「全国高校生徒会大会」が参議院議員会館で開かれた。生徒会大会には全国から150人が来て議論し、翌日にそのプレゼン大会を葛西区民館ホールで行った。その場には私を含め教員が二人いただけで、学生や大人の支援を受けずに、高校生20人ほどだけで大会を見事に運営したのである。
 欧米では高校生の全国組織があって社会に発言している。日本が唯一の例外だったが、ついに日本にも大きなうねりが来たのを感じる。学内、地域、県、全国と高校生の力を大人社会に示して、小さな市民として発言権を認められる時代が近づいている。この意味で中学・高校時代からグローバルな社会貢献を考えてほしい。

 お久しぶりです、今日は。
教頭補佐  佐藤 文博 
 今年度から中学校で一緒に勉強することになりました国語科の佐藤文博です。今、在学している中学生の皆さんとお会いするのは初めてです。しかし、タイトルにも書きました通り、私の意識としては「本当にお久しぶりです。12年ぶりに中学に戻って参りました。又、中学生の皆さんと一緒に生活できることがとても楽しみです。もう一度、一からやり直す気持ちです。どうぞ皆様、よろしくお願いします。中2中3の皆さんはぜひ色々教えてください。一緒に頑張りましょう。」そんな気持ちです。私は中学3期生の時に1年A組の担任をしました。今年度の新入生は15期生の皆さんです。10年ひと昔と言いますが、それ以上昔です。干支で一回りしたことになります。時間が経つのは早いもので私も以前に比べると体のあちらこちらが傷んできています。しかし、それでも皆さんと楽しく充実した芝柏生活を送りたいと思っています。そのために一番必要なことは勉強です。勉強してどんどんものが分かっていくことは本当に楽しいことです。自分の世界がどんどん広がっていきます。次に友達を作ることです。多くの友人を作ることによってもっと視野が広がります。最後は放課後の部活や委員会活動です。もうひとつ別の世界で自分を活躍させましょう。皆さん、ともに素晴らしい学校にしていきましょう。