現代語を古語に直す ク活用とシク段活用 形容動詞の活用
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現代語では形容詞は「〜い」で終わるものです。古語では、「〜し」で終わります。それでは次の順序で考えてみてください。
1 現代語をイメージする。
2 現代語で、「〜い」で終わるものか、「〜しい」で終わるものかを見分ける。
3 「〜い」で終わるもの(例:白い、重い、辛い、憎い、など)はそのまま、「〜い」を「〜し」に変える。
4 「〜しい」で終わるもの(例:うつくしい、かなしい、さびしい、たのしい、など)は、ただ、「い」をとる。
5 「〜い」のパターンをク活用、「〜しい」のパターンをシク活用という。
| 現代語 | 終わりは? | 「い」を「し」に | 「い」をとる | 古語 | 活用 |
| 白い | い | 白し | − | 白し | ク |
| 楽しい | しい | − | 楽し | 楽し | シク |
| 騒がしい | しい | − | 騒がし | 騒がし | シク |
| 憎い | い |
憎し |
− | 憎し | ク |
| 辛い | い | 辛し | − | 辛し | ク |
| 古い | い | 古し | − | 古し | ク |
| 惜しい | しい | − | 惜し | 惜し | シク |
| 美しい | しい | − | うつくし | うつくし | シク |
ここまでに示したように、
現代語が「〜い」の形→ク活用 例:白い、重い、辛い、憎い、など。
現代語が「〜しい」の形→シク活用 例:うつくしい、かなしい、さびしい、たのしい、など。
それぞれを活用させていきます。語の前後に、変わる理由があるので、形が変わる、形が変わること、それが活用でしたね。動詞と同じように、まず、変わる理由(次の表の2行目)を覚えてください。それを、覚えてしまえば、感覚で出来るはずです。その際、動詞とは少し違う形で覚えるのがコツです。
では、まず、ク活用からです。名前が示すとおり「ク」から活用していきます。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| 理由 |
ば |
て | 。 | こと を |
ど ば |
− |
| 白し | 白くば | 白くて | 白し | 白きこと | 白けれど | ー |
| 重し | 重くば | 重くて | 重し | 重きこと | 重ければ | − |
| 辛し | 辛くば | 辛くて | 辛し | 辛きこと | 辛けれど |
− |
「ば」「て」などは、形容詞自体ではありませんので、注意してください。これはやりやすい代表的なものを選んだだけであって、もっと他にもたくさんの語がつきます。
さて、動詞であった、「ず」などがありませんね。形容詞はもうひとつの活用を持っています。それは以下のものです。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| 理由 |
ず |
て | 。 | こと を |
ど ば |
− |
| 白し | 白からば | 白かりて | 白し | 白かること | − | 白かれ |
| 重し | 重からず | 重かりて | 重し | 重かること | − | 重かれ |
| 辛し | 辛からず | 辛かりて | 辛し | 辛かること | − |
辛かれ |
以上の二つが活用となります。こちらを「カリ活用」と呼ぶこともあります。
では次はシク活用です。付けるものは変わりませんので、同じようにやってみましょう。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| 理由 |
ば |
て | 。 | こと を |
ど ば |
− |
| うつくし | うつくしくば | うつくしくて | うつくし | うつくしきこと | うつくしけれど | ー |
| かなし | かなしくば | かなしくて | かなし | かなしきこと | かなしければ | − |
| うるはし | うるはしくば | うるはしくて | うるはし | うるはしきこと | うるはしけれど |
− |
同じくカリ活用。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| 理由 |
ず |
て | 。 | こと を |
ど ば |
− |
| うつくし | うつくしからず | うつくしかりて | うつくし | うつくしかること | − | うつくしかれ |
| かなし | かなしからず | かなしかりて | かなし | かなしかること | − | かなしかれ |
| うるはし | うるはしからず | うるはしかりて | うるはし | うるはしかること | − |
うるはしかれ |
基本的には変わらないのですが、終止形が、「うつくし」なので、どうしても語幹を「うつく」と考えなければなりません。なので、「シク」と活用するわけです。
次に形容動詞の活用です。現代語では、「〜だ」で終わりますが、古文では「〜なり」で終わります。「に」「あり」のつながったものですね。現代語の「〜だ」を、そのまま「〜なり」に直すだけでいいのですが、古文独特の語彙が多いので、現代語の感覚が通じにくいところかもしれません。
「〜なり」と「〜に」
の2つだけ注意すれば結構です。活用は「なり」ですから、ラ変と同じ活用です。
ナリ活用
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− |
| 静かなり | 静かならず | 静かなりて 静かに |
静かなり | 静かなること | 静かなれど | 静かなれ |
もうひとつが、「〜たり」で終わるものです。これも「て」「あり」がつながったものと考えます。
「〜たり」と「〜と」
の2つだけに注意すれば結構です。
タリ活用
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− |
| 堂々たり | 堂々たらず | 堂々たりて 堂々と |
堂々たり | 堂々たること | 堂々たれど | 堂々たれ |