現代語を古語に直す 仮名遣いについて 四段活用と二段活用 一段活用と変格活用 係結び
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古文を勉強する前に、現代語と古語の違いを知りましょう。
動詞とは「u」 の音で終わるものですね。それは、原則として古語では変わりません。古語に直すかどうかは、次の順序で考えてみてください。
1 現代語をイメージする。
2 現代語が「〜る」で終わらないもの(例:咲く)、「〜る」でおわっても、「ない」を付けたときに、「a」になるもの(例:走る「走らない」)は現代語と同じになる。
3 現代語が「〜る」でおわり、「ない」をつけると「i」または「e」音になる(例:過ぎる「過ぎない」、流れる「流れない」)ものは、現代語と形が違うので次の4にすすむ。
4 現代語の「る」をとって、上の音を「u」音に変える。(例:流れる→流れ→流る)
5 現代語と同じパターンを四段活用、違うパターンを二段活用という。 「i」の時は上二段、「e」の時は下二段と言う。
| 現代語 | 「る」で終わるか? | 「ない」を付けると? | 「る」をとる | 「u」音に変える | 古語 | 活用 |
| 咲く | × | − | − | − | 咲く | 四段 |
| 流れる | ○ | eない | 流れ | 流る | 流る | 下二段 |
| やめる | ○ | eない | やめ | やむ | やむ | 下二段 |
| 走る | ○ | aない | − | − | 走る | 四段 |
| 過ぎる | ○ | iない | 過ぎ | 過ぐ | 過ぐ | 上二段 |
| 聞く | × | − | − | − | 聞く | 四段 |
| 寝る | ○ | eない | ね | ぬ | ぬ | 下二段 |
| 眠る | ○ | aない | − | − | 眠る | 四段 |
上の作業をやる際に注意すべきことがあります。仮名遣いが現代語と古語では違うということです。上の作業をやる際に、仮名遣いを変えて行う必要があります。それでは、次のことを覚えてください。
1 ハ行の見極め
現代語で、「言う」など、終止形が「〜う」で終わる語の中で、「ない」をつけた時、「わない(言わない)」の形になるものは、古語ではハ行になります。
例:言う→言ふ、歌う→歌ふ、など
2 ザ行とダ行
現代語ではザ行に活用するものが、古語ではダ行に活用するものがあります。
例:閉じる→閉づ(閉ぢ)、恥じる→恥づ(恥ぢ)、など
3 ア行、ヤ行、ワ行の見極め
現代語では表記が同じようになっていても、古語では、ア、ヤ、ワ行の見極めをしなければいけません。
まず、次の表を見てください。
| ア | イ | ウ | エ |
オ |
| ヤ | イ | ユ | エ | ヨ |
| ワ | ヰ | ウ | ヱ | ヲ |
※ワ行のひらがなは、「わ、ゐ、う、ゑ、を」
上の表のようにア行とヤ行、ア行とワ行では、共通点があります。その際、以下の点に気をつけてください。
ア行活用は、古語では「得(う)」だけである
※現代語が「得る」なので、「る」 をとって、「u」に変える。
つまり、古語では、「う」とくれば、ワ行、「い」「え」とくれば、ヤ行と考えて、間違いありません。
| 現代語 | 「る」で終わるか? | 「ない」を付けると? | 「る」をとる | 「u」音に変える | 活用 |
| 見える | ○ | eない | 見え | 見ゆ | 下二段 |
| 覚える | ○ | eない | 覚え | 覚ゆ | 下二段 |
| 悔いる | ○ | iない | 悔い | 悔ゆ | 上二段 |
| 消える | ○ | aない | 消え | 消ゆ | 下二段 |
上の表はヤ行活用です。古語では、この活用が多いのでしっかり覚えておきましょう。
ワ行活用は、古語で「飢う」などです。現代語からは見分けがしにくいのですが、古文の文中では、「飢う」、「飢ゑて」など、見た目が分かりやすい形で出てきますので、
知っていれば大丈夫です。
ここまでに示したように、
現代語と同じ形→四段活用 例:咲く、言ふ、聞く、打つ、走る、など。
違う形→二段活用 例:流る、過ぐ、見ゆ、ぬ、など。
それぞれを活用させていきます。語の前後に、変わる理由があるので、形が変わるのです。形が変わること、それが活用です。ですから、まず、変わる理由(次の表の2行目)を覚えてください。それを、覚えてしまえば、感覚で出来る人が大部分ではないでしょうか。
では、まず、四段活用からです。見て分かる通り、aiueと四つの段に活用するので、四段と言います。活用の行は、そのaiueと変化する行のことです。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| 咲く | 咲かず | 咲きて | 咲く | 咲くこと | 咲けど | 咲け | カ |
| 言ふ | 言はむ | 言ひけり | 言ふ | 言ふを | 言へども | 言へ | ハ |
| 走る | 走らず | 走りて | 走る | 走ること | 走れど | 走れ | ラ |
| 打つ | 打たむ | 打ちけり | 打つ | 打つを | 打てども | 打て | タ |
| 指す | 指さず | 指して | 指す | 指すこと | 指せど | 指せ | サ |
「ず」「て」などは、動詞自体ではありませんので、注意してください。また、二つ書いてありますが、どちらでも構いません。ただし、これはやりやすい代表的なものを選んだだけであって、もっと他にもたくさんの語がつきます。
では次は二段活用です。付けるものは変わりませんので、同じようにやってみましょう。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| 流る | 流れず | 流れて | 流る | 流るること | 流るれど | 流れよ | ラ下二 |
| 過ぐ | 過ぎむ | 過ぎけり | 過ぐ | 過ぐるを | 過ぐれども | 過ぎよ | カ上二 |
| 見ゆ | 見えず | 見えて | 見ゆ | 見ゆること | 見ゆれど | 見えよ | ヤ下二 |
| ぬ | ねず | ねけり | ぬ | ぬるを | ぬれども | ねよ | ナ下二 |
| 閉づ | 閉ぢず | 閉ぢて | 閉づ | 閉づること | 閉づれど | 閉ぢよ | タ上二 |
二段活用は「e、e、u、uる、uれ、eよ」と活用します。二段活用でのポイントは終止形以降です。終止形を現代語風に「過ぎる」としたり、連体形を「過ぎること」としたりしないよう、注意しましょう。
最後に一段活用と変格活用です。これらは、例外ですので、英語の不規則活用と同じで、動詞そのものを覚えなければいけません。そのつもりで挑んでください。
上一段活用
きる(着)、みる(見)、にる(似、煮)、いる(射、鋳)、ゐる(居)、ひる(干)、など、「君にイヒ!」
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| 見る | みず | みて | みる | みること | みれど | みよ | マ |
| 着る | きむ | きけり | きる | きるを | きれども | きよ | カ |
| ひる | ひず | ひて | ひる | ひること | ひれど | ひよ | ハ |
ポイントは、終止、連体、已然。上二と同じようですが、一段でそのままいきます。現代語の感覚に近いので、上一段の動詞を覚えればおしまいです。「見る」で活用になれて、「ひる(乾くの意)」を使いこなせるようにしましょう。よく出ます。
下一段活用
ける(蹴)、のみ。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| ける | けず | けて | ける | けること | けれど | けよ | カ |
多少違和感がありますが、上一段と同じと同じと覚えてくれれば、大丈夫です。上一段に合わせるようにしましょう。
カ行変格活用
来(く)、のみ。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| 来 | こず | きて、 ※来し方、は「こ」と読む |
く。 | くること | くれど | こよ | カ |
変則なのは、未然です。でも、現代語と一緒ですから、さほど違和感はないですね。連用形は、「き」ですが、過去をあらわす助動詞「き」と組み合わさる時に、「こ」と読むことがあります。
サ行変格活用
す、など。「勉強す」「報ず」など、〜す、という形のみです。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| す | せず | して | す。 | すること | すれど | せよ | サ |
変則なのは同じく、未然、連用です。ここがおかしいのですが、現代語と同じなのでこれも大丈夫でしょう。
ラ行変格活用
あり、をり、はべり、いまそかり(いますかり)、の4つ
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| あり | あらず | ありて | あり。 | あること | あれど | あれ | ラ |
ほとんど、四段活用なので、違和感がありません。問題は、終止形。動詞なのに、なぜか「i」音で終わっています。だから、「あり、をり、はべり、いまそかり」を覚えた時点で、ラ変はパーフェクト!!
ナ行変格活用
死ぬ、いぬ(往ぬ、去ぬ)の二つ。
| 元の形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用の行 |
| 理由 |
ず |
て けり |
。 | こと を |
ど ども |
− | |
| 死ぬ | しなず | しにて | しぬ。 | しぬること | しぬれど | しね | ナ |
途中までは、四段なのですが、連体形、已然形と二段型になります。「変格活用なのだから…」と考えれば、なんとかなりそうです。活用は「死ぬ」で覚えておきますが、実際は「往ぬ、去ぬ」の方がよく出るので注意。
最後に係結びです。今まで、活用を、下につける語句でやってきましたが、もうひとつ、上に来る語句で変わる場合を練習しましょう。
花咲く 花や咲く
水流る 水や流るる
これは疑問文の例です。「や」という語が来ることによって、文末が連体形になります。この「や」にあたるものを係助詞といいます。以下の表の通りになります。
| 係助詞 | 意味 | 結び | 花咲く/水流る | 意味 |
| や | 疑問 | 連体 | 花や咲く | 花が咲くか。 |
| 水や流るる | 水が流れるか。 | |||
| か | いづくにか花咲く | どこに花が咲くか。 | ||
| いづくにか水流るる | どこに水が流れるか。 | |||
| ぞ | 強調 | 花ぞ咲く | 花こそが咲く。 | |
| 水ぞ流るる | 水こそが流れる。 | |||
| なむ | 花なむ咲く | 花こそが咲く。 | ||
| 水なむ流るる | 水こそが流れる。 | |||
| こそ | 已然 | 花こそ咲け | 花こそが咲く。 | |
| 水こそ流るれ | 水こそが流れる。 |
「や」「か」は疑問文を作ります。これは大変重要なことです。絶対に忘れないでください。
疑問文と普通の文が見分けられないと、否定文と肯定文が分からないことになってしまうのです。
「わかりましたか?」
やさしく言っていれば、これは、ただの疑問文です。
でも、厳しかったら、「分かっていないでしょう」という意味です。だからとても大切なのです。これを反語といいます。疑問と反語の区別は、文中で行うしかありませんが、強調の「は」がくっついた、「やは」「かは」は、反語になる確率が高いです。
疑問の「か」は英語で言う5W1Hの疑問文に使われることが多いですが、現代語がそうであるように、普通の疑問文にも使われます。