中学1期生短歌集(中3)

今年も東洋大学が主催する現代学生百人一首に参加しました。今年の入選は次の短歌でした。

”バイバイ”から”帰ろう”になるその日まであとどれくらい必要ですか  松田佳子

7万首から100首に選ばれたのです。そして今年は参加3年目。ついに学校賞もいただきました。

というわけで入選短歌を除いて校内短歌コンクールです。コンクールの方法についてはこちら。

中学2年生の歌集へ 1−40 41−80 81−120 121− 

大根が 泣いて笑って 喧嘩して また幕開けて 舞台に実る
1 長沼絢奈

夏休み 遊びすぎた だから今 季節はずれの線香花火
2 
古川聡美

都会から 田舎に着いた その瞬間 最初の一声 方言なまり
3 
三波壮太

十文字 口をおさえた 士が 足を伸ばした 私の名字
4 
土田 和幸

人は皆 ハジメノイッポで 踏み出して 自分の未来を 捜しに行く旅
5 
矢田祥子

日一日 長くなりゆく 道のりに 身にしみる風 晩秋の朝

落ち着いて すべてを忘れ 見渡せば 人の温もり 感じる喜び

ほっとする 暖かな時 青い空 車内に差しこむ 冬の朝日

いつもより 明るく見えた 町並みに 雀飛び交う 台風一過

徳冨泰久

三年間 いろんなことがあったなと 指に絡めるスカートのほつれ

先生の 小さなくせさえ学んでしまう 私の席は今月砂かぶり

橋本奈津子

いつもなら 悪夢だけれど 今日だけは 見たいと思う なすびの夢

南早紀

自分への 悪口陰口 聞くけれど 最後に見るのは 自分の欠点

鈴木志保

テスト中シャーペンVS消しゴムのオセロマッチは黒判定勝ち

保川知未

マウンドの 自分の姿 描く時 負けた悔しさ 涙となる

林航太郎

朝日浴び 冷たい風の 土の道 霜柱を見て 思う冬の心

野村崇太

ふれてみて初めて知ったアジアの風本じゃわからぬその温かさ

三村香奈子

今日こそは私にも春がくるかなと思って終わった 15birth.

紅谷有香

枕もと 携帯おいて 君からの 返事のメールを 待つ午前2

中井孝輔

夏の日を 思い出した この空は 真っ青な快晴の 冬空だった

河合恭平

木枯らしの 通学路を行く 朝早く 白い息吐き 手をこすりながら

江原瑞明

張り詰めた 接戦なのか 失策し 集中力欠け  我涙のむ

山本孝之

亀歩く ような手つきで あみものし うさぎのように 気持ちが走る

脇坂映美

空高く 見上げて夢を 追いかける 果てなく続く 大きなものを

中野祐介

誰もいない グランドを見て ふと思う あの暑いの日の  あのグランドを

鈴木康太

干し柿を 吊った軒下 さわがしい 子供3時は 密かにうごく

南雲 友里

夜の空 三日月バナナに思えちゃう 15の私 食欲旺盛

吉丸 佳織

雨の日も 毎日汗を ダラダラと がんばり働く 工事現場

上條裕誠

指先に 白い息はき よりそって “君も冷たい”と 壁に呟く

小西 渚

難しい 季節の変わり目 冬装備 今日にするか 明日にするか      

鈴木翔

危なくて見ていられないはりきった母が出かけた土曜日の父

山口奈緒子

親にねだり 買ってもらえずに 泣く子供 私の過去も ああだったのかな

服のシミ 落としてくれる 漂白剤 心のシミも 落とせないかな?

藤堂 あゆみ

朝起きて 体を起こし 目が覚めて 今日一日の 始まりが来る

平川泰裕

和英辞書 片手に教えた 折鶴は 海をも越える 友情の証

加藤大祐

カレンダー めくって時が 戻るなら またもう一度 中三の夏

猪口 悠

雪だるま 涙流して やせてゆき 別れを告げて 春になりゆく

海農理絵

何だろう青春とは何だろうキミがいることただそれだけだ

山田孝正

マスクする 秋の終わりの 帰り道 マスクはずせば 冬の始まり。

寒くても 我慢して作る 雪だるま 着ている物まで 雪だるまに渡す。

鈴木拓也

初もうで お参り終わり 神風を 右から左に 受ける自分

峰田和也

無限大 とどろきわたる 雷鳴は 闇夜の空に 希望の光

本庄政貴

夕空に ぼんやりうつる 思い出よ 秋風とともに 過ぎ行く宝

太田雄貴

星空に 願いを1つ込めたくて カイロ片手に毛布くるまる

森谷夏織 

何もない 一本道の月明かり いつも一緒は 大きな私

中代佳耶子

いつもより のんびり歩く 通学路 吐息の白さ 気がつく季節

福島なつみ

目が重い 起きる努力は するけれど でるにでれない ふとんのぬくもり

大倉亮一

菓子禁止 決意したのに 今はただ 鏡の中の 自分に怒る

中島千絵

朝起きて 急ぎに急ぎ 家を出る 待ち合わせまで あと15分

棚橋勇太

朝起きて ブラインドから 日光が 早く起きろと すずめと合唱

野々山聡

天高く 無限に広がる キャンパスンに 僕が描いた 柔らかな跡

蒲谷 拓哉

せかされて 短歌うかばず 悩む我 ギリギリだけど 出せるといいな

増田寛之

笑ってる みんなの笑顔 学園で それが一番 マイエネルギー

井上まなみ

ゴミ荒らし ちらかってる 台所 ちがうといって ふるえるペット

永井慎也

仲間との 眩しい思い出 葉と共に やけた肌の色落ちて

別に」って なんでもかんでも 一言で そんな言葉で バリアはる

神保 奈央子

うつぶせた 白紙のプリントから見える 忘れられてた クラスの賞状

三羽 さやか

暗闇に 寒さ見つけて 月は今 精一杯の 注意信号

加度 圭紀

木漏れ日の 蠢く団地の並木道 眠気が私を猫の目にする

音響く 車内の暖房 父の横顔 今日の帰りはいつかと聞けたら

なぜかしら 私のこづかい急降下 どうにかしてよ 小泉さん

鈴木愛彌

異国より 届くメールの 父の声 素直になれる 私の気持ち

佐藤愛

腕力で 勝ったけれど まだ超えられない 山のような 父の大きさ

後藤龍弥

胸の鼓動 観客の中に 消えてった 完全燃焼 後夜祭

野中遼平

変わらぬ日々 私はもっと 変われるから 刺激求める 今日この頃 

成田育美

海を越え 中学最後の 世界旅行 遠い国から 親への絵はがき

杉村理絵

電車内 着信音が 鳴り響く 一人に集まる 冷たい視線

若木 裕彰

逆立ちしみなれた部屋で今年こそ新しい世界見つけてみよう

福田恭沙

持久走 「飛べたらいいな」と 見上げたら 八月空に とんぼ一匹

小貫弘之

「また明日」 画面(ディスプレイ)に出る メッセージ 声なき声の コミュニケーション

夜風ふく 月明かり見る 帰り道 空を見上げて ひとりつぶやく

藤巻 隆久

タフィー・ローズ HR日本記録 おめでとう でも超えてほしかった 世界の王を

豊島 聖明

荒川の 赤錆夕焼け ビルに消え 風と尾花が 青く染まった

小島澄恵

弟が もうすぐ四さい しらぬまに 大きくなってた 態度もいっしょに

飯田祐也

帰り道 明るい歌を 口ずさみ 足を止めれば じんちょうげ薫る

中澤佳子

初もうで みんなと行こう お参りに 今年もいいこと ありますように

宇賀大地

誰もいない  電車に乗り込む 酔っ払い 車庫に入ると 知らずに眠る

松沢 一生

捨て猫の 鳴き声に耳 ふさいでも 泣き声だけは 追いかけてくる

松田 亜里沙

まだ書けぬ 志望校 のぞきみれぬよう 今日も彼女と 無駄話する

坂本 麻衣

文化祭 もう終わったのに 掃除の時に いまだでてくる 文化祭のゴミ

島崎祐哉

暇な時 卒業アルバム 見てみれば ああなつかしい あの日の自分

東 浩平

家中に 今日も聞こえる あの声よ いつになったら 解放されるの?

有井梨香

寒い日は 明るい時間が 短くて 授業が終わると 外はもう夜

西高 隼人

「ただいま」と ドアを開ければ 「おかえり」と返す家族の暖かさかな

小池弘幸

長がった 戦い終わり シーズンオフ ひっそりとした 野球球場

安田 一行

こっちもいい あっちもいいよな どうしよう? 揺れる思いに 運命を乗せて

早坂 史朗 

当たったと 思ったときに 夢を見て 夢はいずこえ 宝くじ

飯田 一将 

古ぼけた 笑顔に祖母は 今は亡き 祖父の面影 とても似てると

高橋 東吾

学校は? そんな言葉も 馬耳東風 朝日を見よう 現実逃避

石鍋 祐樹

起きてから 外を見つつ ふと思う 体に感じる 季節の節目

松尾 真 

冷めきった ハンドル握れぬ 俺の手を 貫いていく 見えない刃

浮穴 克彦

「消去(デリート)」のボタンを押せば消せるはずあなたの名前画面に残る

鈴木 伸欣

小石投げ はもんで消した さびし顔 必要ないので 池にしずめる

石原絵理

ずっしりと重いベースを肩に下げ目指してひいてるスポットライトを

渡邊健士

「結局、所詮この世は腐ってる」と吐く者こそ世を腐らせる

丸山 雅史

4時間目 響くチャイムに栗薫りなびくイチョウに心も揺れる

大橋弘明

木材を かつぐ人をみて 思い出す 大好きだった おじいちゃんの姿

中山維

学校に 毎日行ける 平和な日 いつまでも続いて欲しいこんな日々

井上佑一

ひつじ雲 道がまとうは イチョウの葉 行き交う人の 心は秋晴れ

中山学

ありがとう 成長のあかし おつかれさま ハンガーにかかる さびしげな夏服

小原綾子 

消えないで 残しておきたい 言葉なの 凍える声で 吹き出だし雲へ

金城優希 

窓からの 木漏れ日頼りに開くのが 心につらい あの日の想いで

新井千尋

「ありがとう」 言えない言葉 胸に秘め 今日も背中に 母のまなざし

金子美友貴

宿題中 ビール注げよと 邪魔入り 父酒進み ペンは進まず

高橋哲也

朝起きて 震える体に 風が吹き 出れないベッドに 布団でおおう

服部晋

目をそれて 口ばかり目に映っても「久しぶり」君の 言葉に喜ぶ

馬渡あすか

これでもないあれでもないと未来図を描いては消す自分が此処に居る

鉛筆の走る音と秒針と気付けば聞こえる霜月の静寂

黒板の文字をしっかり見てなくちゃ気になるアイツに視線がいくみたい

海底に眠る馬達駈け巡る額に収まる幼い自分

長谷川玲音

旅帰り デッキで手にするケータイに あきらめられない君の顔うつる

栢菅崇

朝露に煌く木々と空の青 雨風争いあときれいかな

八つ足 ふんばり 空にかける糸 雨にも負けず 風にも負けず

長靴は歩くみずたまりうつる傘いっぱいある雨の日をみる

佐々木真理乃

あのころは 考えられない あしたへの カウントダウンが 今再び 

小寺絢子

荒れた手に フライパンにぎる 小さな母に 心でつぶやく 「いつもありがと」

発砲を 続ける人間を 飼っている。 エンゲル係数 高い地球家

上木千歌

秋風に当たって全てを流しても流しきれない爪に入った砂

神宝陽太郎

オレンジの空熟すたび  一つ一つまた懐かしむ君の言葉を

杉原里菜

この子達は 死にますと言いし テレビには こちらを見つめる 健気な瞳

清水達哉

床に伏し  時間(とき)の感覚  なくなりて母来る度に  何時と聞く我

昨日まで  半袖着てた  弟が  半日後には  コート着る不思議

パソコンは  何でもござれ  我が父が  ケイタイ持つと  親子逆転

逃げるからシンニョウとって  テヘンつけ  そんなことから  変わる毎日

林真広

五里霧中の 初試合 こだます1本 勝ったことに 気が付かない俺

宇津木隆裕

夕暮れて 帰る途々見上げた空に 光るオリオン 道しるべ

神代緑 

今限定 頭に銭湯 知識の湯 試験終われば即閉店

星野知子

朝起きて 眠い目こすり あくびして 早く起きろと 響く母の声

冨岡達也

歯車が 微妙にからむ 15歳 いつから大人 いつまで子供

大伯香織

朝起きて 震える体に 風が吹き 出れないベットに ふとんでおおう

久賀雄介

燃えている 川と並んで帰る道 待っていました みかんの季節

坂田真理子

うつむいて見つけたきれいな白線とその上歩く汚れた革靴

阿波茉美

寂しさに 思わず飛び込む 人ごみの 中で一層 孤独を感じる

花村美空

みれん残る君の名はなきメルアド張片手にゆれるデッキで一人

栢菅崇

碓氷峠 機関車連れて 駆け抜ける もう来ぬ列車が 心を走る

塩入 圭祐

好きな本 読み終えた時の 寂しさは デートの後にも 似ているのかな

大塚一記

先輩に 負けじとボールに くらいつき タックルがきて倒される日々

平沢健一郎

水たまり 僕は思わずのぞきこむ 虹がかかれた 青の画用紙

平井浩一

現代の疲れたあなたにこの一品マイナスイオンで快適爽快

重盛洋

老人の ちりとりの中 投げ煙草 チラと見てまた 掃除を始めた

中地雄介

人生を 短い長い 決めるのも 何もかもが あなた次第

堀田 真吾

夏の夜に ただあても無く 風を待つ 風鈴(すず)の想いを 君は知らない

仙波裕貴

夜の月その明るさに眠気消え夜中眠れず冬の一日

服部晋

また会おう結んだ小指を振りほどき 背を向け歩いた桜降る道

美容院影長く伸びた帰り道メモリー消して一歩踏み出す

還暦をむかえた父の背に降りた 霜見て気づく冬の訪れ

春感じねぼすけがえる目を覚ます 三年越しのマフラーの中

小西里和子

ピーコのおしゃれチェック 人の本性は表には出ない

入江 亮

一曲に 仲間同士の 熱く重い 思いをかけて 声を重ねる

澁谷 典明

溶かし飴こんなような俺だから二十歳になるまで少しは変われ

西村直樹

月めくり風の子ならした風鈴の置く手淋しくふりかえる夏

宮原佑梨子

近頃の 狂った日本に 驚いて どこかに逃げた 大和魂

石井悠規

線香の白い煙がくもってるもう動かない父の微笑み

羽住篤史

十四で親父の背丈は越えたけど次に目指すは背中の広さ

入来祐有

嵐山 人の流れに 染まり行く 私の心と 紅の木々

岡田恭平

あの時をいつか忘れてしまうのかてとて合わせたるり色の日々

永山弘海

ぬかされたまたをぬかれたくやしさに家に帰って腕立て始める

立澤裕明